( 前回のつづき、というか、同じ角打ちという意味で )
週に1度のペースで自然と開かれる、
夕方のテラスパーティー。
裏路地にあるリキュールストア(酒屋)には、
こじゃれた椅子(酒樽)の並んだテラス席(軒下)があって、
近くの出版社でバイト勤務している30歳~32歳の友人たちと合流し
そこでアルコール飲料(ビール)を飲む。
今日も誰かがスナックかアペタイザー(チータラかピーナツ)を買い、
それを囲んで皆でドリンクをエンジョイする。
メンバーは同い年(30歳/31歳)の「T代」と「トモD」、
加えてひとつ年上で、オーガニック的なものに詳しい「石原さん」。
今日も平日の労働でへとへとになった私たちは、
お互いの労をねぎらうように乾杯。
やっぱり今日もテラス席は最高!
横断歩道も見えるし。
たまにアペタイザー恵んでもらえるし。
最高!

と思っていたら突然、横の3人が手を振っている。
その先で手を振っているのは、
この路地じゃ見かけたことのない
かわいいロゴ文字の入ったTシャツと細かい縦じまの入ったロングスカートを履いたヤング女子。
おそらく3人と同じバイトの子なんだろう。
「あんな若い子もいるんだ・・・・・」
と無意識に私はつぶやいていた。
横断歩道をこちらにわたってきたその女子。
他3人と楽しそうに会話している。
なんとなく入れず、ビールの泡を見つめている私。
しばらくすると、
「ちょっと、お邪魔して、いいですか~?」
いつものメンバーに若い娘が投入され、
私たちの関係性が一気に謎に包まれた。
「平成生まれなんだよ。」
すでに無い泡を見つめていた私に、
T代が紹介してくれた。
「へぇ!何年ですか?」
と聞くと、
「8年です。」
聞いたものの、
昭和だらけの中で生きたから、
平成との比較がままならない。
私と同じ思いだったのか、誰かが
「AKBの誰と一緒?」
と聞いた。
「さしはらです。」
私は、最近やっと「さしはらさん」が誰か分かった。
それ以外の人で言われたら完全にアウトだったかもしれない。
そもそもAKBで比較するような時代なんだな。
いつだったか日雇いバイトしたときにも
「昨日の総選挙、見ました?」
と話題をふられたことがあるし、
おそらくそれは衆議院のことじゃなかったし、
とにかく世間ではATMと同じくらいにAKBが利用されているのだ。
どんどんと世界が遠くなるような意識の中で、
トモDが叫んだ。
「私たちはスカーレットヨハンソンだよ!!!!!」
私の目の前が一瞬真っ白になった。
眩しい。
スカーレットヨハンソンがまぶしい。
少ししてからようやく、トモDが
「私たちはスカーレットヨハンソン(と同い年)だ」
と言おうとしていたことが分かる。
まぶしい。
スカーレットヨハンソンがまぶしい。
スカーレットと同い年であることを主張する真っ直ぐなトモDもまぶしい。
そうか、
美人ハリウッド女優と同い年であると大きな声で主張できるくらいに、
私たちは生きてきた。
だから、これを読んでくださっているみなさんにも一度お伝えしておこうと思います。
私は、スカーレットヨハンソンと、同い年です。



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