3人でモーニングをたしなみ、
一足も二足も先に早く食べ終わった義父はすぐさま立ち上がり店を出て、
駐車場から車を走らせ車道を右に曲がった。
犬のいる、ホームセンターに向かっている。
5分程後、私と母もその後を追い、
車道を右に出た。
ホームセンターの駐車場に着いてすぐ、
母に義父からの着信が。
「早く来て」
という電話だったらしい。
売れてしまったのだろうか、まさか、
と心配していると、
なんてことはない、エスカレーターの上でただ待ちきれなかった義父が嬉しそうに立っているだけだった。
たくさんの犬達が銘々の過ごし方をしている
プラスチック板の前で、
母はどこか楽しげに
「どれだと思う?」
と聞いてきたが、私にはさっぱり分からない。
私だったら、という意見で、
「柴犬」を指さすと、やはり不正解だった。
すんなり答えを聞くと、
義父の一目惚れした犬はその柴犬の左隣にいる、ビーグル犬だった。
・・・選ばない。
私だったら選ばない犬だ。
種類が、という話ではなくて、
なんというかその犬は、
数種いる犬達の中でも1番「媚びて」いなかった。
犬好きか猫好きかを二分する原因には、
あの「人懐っこさ」があるだろうと考えていたが、
それが、微塵も、感じられないのだ。
動じないその瞳からは、何かを学べそうな気さえする。
私が同じ犬だったら「村長」というあだ名をつけそうだ。
要するに、
なぜ義父がその犬に一目惚れしたのかは理解不能で、
私は遠くから2人のやり取りを見守ることに徹する。

2014年12月6日
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