「今日は、帰れないかもな〜。」
午後2:00頃、総務課の男性社員Dさんが言った。
Dさんは確か今日の午後に有休をとっている。
ちなみに、現在の私の部署の状況は、
上司はお休み、
Bさんはお昼に帰ったので、
私を除けば
隣のAさんと、前のCさん、
そしてCさんの隣のDさんの3人が残っている。
午後2:00頃。
冒頭の言葉を受けて、隣のAさんが
「もうムリでしょ。いなよ。」
と言った。
そう言うAさんはいつもフレックス制度を活用して16:00には帰る。
「そうだよねぇ。」とDさんは言った後、
「こんな日に限ってだもんな〜。
こんな日に限ってたくさん連絡がくるんだもんな〜。
▽△も前は静かだったのにさ〜。」
今、Dさんはそれを一人で喋っている。
それを、もう、誰も聞いていない。
先ほど、レスポンスを返したAさんは
視線を書類に落としてもはや一切何も返さない。
聞いていない態度があまりに露骨だ。
Cさんは元々話に入っていなかった上、
普段からDさんの話を流す傾向がある。
そしてDさんは持ち前のマイペースさで、今も話をやめない。
「いやぁ困っちゃうよな〜。
ふだん連絡こないのにさ〜。」
困っているのはこっちだ。
近くにいる2人が何の動きも示さないのだ。
1人が喋っているのに。
Dさんはなおも続ける。
「こんな時に限ってなんだよな〜。」
まるでマニュアル車の下り坂だ。
Dさんの発した言葉は一体どこに行くのだろう。
森が吸収して、
O2として還元してくれているのだろうか。
私は想像する。
木の葉が重なり木々がざわめく。
私はそこにいる。
ひとつだけ分かるのは、
AさんもDさんもCさんも、
それぞれのタフさを持ち合わせている。

2014年7月22日
関連してそうな記事
関連してそうな記事その2
Dさん
上司とCさん
コメント