システム課のおじさんは少し色のついたメガネをしてる。
もしかしたら透明だけど、
私にそう見えるだけかもしれない。
今日、元々PC画面にあるはずのアイコンが消え失せる、という事態をうけ、
システム課のおじさんが初めて私の席へやってきた。
おじさんは私のPCを見て、
メガネにかかっているのと同じ色のような渋い声で
「ウィルスが、死んでる。」
と言った。
そして手早くウィルスバスターを開き、
それを起動しようとしてくれた。
ウィルスに立ち向かう準備。
何もすることができず後ろで見守りながら
「たまにアップロードしろって言われるのをキャンセルにするからですかね!?」
と慌てて言うと、
「いや、多分アップロードはそれじゃない。」
と言った。
その時初めておじさんと目が合った。
やっぱりメガネに淡い色が入っているように見えるのは、
おじさんの目の色が淡いからだろうか。
システム。 システム。
分からない限りそれは呪文のように聞こえる。

2014年8月13日
当時の私には、ポップアップで出てくる「アップロードしますか」の表示さえ恐怖だった。
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