「君、関西の人??」
ついにきた。
この質問が、ついにやってきた。
この会社に来て2度目の内線で。
大阪の営業所の人からの内線電話で。
人生2度目の東京暮らしで初めて私は私の“なまり”に触れられ、
関西の人と間違われる日がやって来たのだ。

「いえ、高知なんです〜。」
ついに言った。
ついに私は、オフィスで自分の故郷を口にした。
「あ〜そう〜。なんかなまってたから関西の人か思て〜。」
「いやぁ〜ただの田舎者です〜。」
やった! 聞かれてないことまで言った!
電話を切って、胸を高鳴らせながら、
しかし電話の内容は
「おたくに提出した書類の振込がされてまへんで」
というクレーム(?)だったので、感慨にひたっている余裕もなく、
女性社員BさんとCさんも手伝ってくれて、事実を検証する。
私はCさん(一番歳の近い人)と紙資料を確認、
Bさん(前の派遣の人が辞める原因になった人)はPCデータを確認してくれていた。
資料には既に振り込みの事実があり、
Bさんのところに行き、後ろから今度はデータを見守る。
そんな中Cさんに
「高知出身なんですか?」
と聞かれ、私、
「はい〜そうなんです〜。(うれしい)」
「じゃ広末と同じ学校ですか?」
「いやぁ、違うんですけど、広末さんが受験をしたところです。(嬉)」
「へぇ〜、、」
「何!?」
そう言って振り返った女性社員Bさんの顔は明らかに怪訝そうで、
だから私は慌てて、
「あっすみません!!!広末の話をしていました!!」
と述べた。
というか素直すぎた。と後で謝罪の反省をした。
PCのデータ上でも振込の事実が確認でき、
それを伝えようと大阪の営業所に初めての内線(短縮)電話をかける。
「・・・あの、どこにかけていますか?」
初めてかけた内線は間違い電話だった。
すると先ほど不機嫌だったBさんが「かわいい!」と喜んでくれたので、
(30歳手前でかわいいと言われるのもどうかと思うけれど)
良しとする。
ちなみにそれ以降、故郷にふれられることは一度もない。

2014年5月16日
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2025年、奇しくも少し旬な話題になってしまった。
=== これまでの、電話 / 内線に関連する記事 ==
「恐怖の内線」
「電話に出られないOL」
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