電話が鳴る。
電話は鳴るものだ。
どこの会社でも大体鳴っているのではないか。
私はこの会社に来てから一度も電話に出ていない。
(内線には一度出た)
出なくても同じ部署の誰かが取る。
しかしOLにも働く上での責任感というものなどがあって、
それじゃいけないんじゃないか、
と実は思っている。
ーー 私も、鳴っている電話を取るべきなのでは?
また電話が鳴る。
2コール目には誰かが取る。
取った誰かがまた別の誰かに声をかけor内線をかけ、
受話器をおろす。
それでおしまい。
しかしその間にも私の胸は高鳴っている。
ーー 私が、電話を取るべきだったのでは?
ちなみに出ない理由としては
① 電話器の使い方が分からない(内線・外線・保留・何番?など)
② 人の名前が分からない
③ 人の名前が分かってもどこに座ってる人か分かるまでに時間がかかる
以上から、派遣の自分が取るより
他の正社員が取った方がスムーズな電話回線であるからして
だから私は…!
とか電話が鳴るたびに強く強く思っている。
そして同じ部署の社員の中にも、
"よく出る人"と"あまり出ない人"というのがいて、
その"よく出る人"がお手洗いだったりコピーを取っていたりして席を外していると、
電話がいつも以上に鳴る。
2コール、3コール、嗚呼4コール…!
4コール目が鳴っているときには、
もう私は崖の上に立っているような気持ちになっている。

しかし出たら出たで崖の上なのだ!
出たら出たで相手に言えるのは
「分かりません。」とだけで、
ただ受話器を握って誰かに助けを求めることになるのだ。
それならば分かる人が出た方が良いのだから、
それは会社のメンツに繋がる事態かもしれないのだから、、、、
とか電話が鳴ったり取ったり繋がったり
そのような考えを行ったり来たりさせながら、
デスクの前でじっとしている。
必要以上に頭の中で響くコール音を聞きながら。
また誰かが電話に出る。
会社名を名乗る。
スムーズに内線をかけて受話器をおろす。
2014年2月17日
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