ある日、
隣の席で仕事している50代独身女性Aさんの元に、
例の、体操のお兄さん風の40代男性社員改め20代キラー社員が、
身をかがませながらやってきた。
「あのさ、あれはさ〜、、、」
小声すぎて聞き取れない、
だが明らかに仕事の内容ではない雰囲気がそこから漂っている。
水サーバー前ならともかく、デスクの前で、
しかもAさんのところで無駄話が起こるのは珍しいことだったので、
少しだけ耳をそばだてているとAさんが
「太りすぎでしょ。」
と言った。
何の話だろうか、、
なおも耳をそばだてていると、Aさんは
「でもま、痩せても今度は力が入らなくなっちゃうしねぇ。」
と言った。
これで私はピン!ときた。
いつかも書いたけど、
Aさんと私の足元の間には段ボールが置いてある。
私が毎日カバン置きにしているその段ボール、
Aさんに近い方には、Aさんのカバンと常に、
「G OF THE YEAR 2013」
という本が置かれてある。
Gはつまり、ジャイアンツのGだったのだ!
そしてAさんは野球好き、かつ、巨人ファンなのだ。
これでAさんが入社当時からマスクをし続けていることも、
常に声が嗄れていることも、全て謎は解けた。
「巨人を、応援、しているから!」
久しぶりに爽快な気分だ。
私はスポーツ観戦はしないけれど、
巨人が勝ったとき、Aさんもこんな気分なんだろうか。

2014年10月2日
マスクをしていることを書いた記事
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