ＯＬ（私）のささやかな日課は、
朝、女子更衣室のブラインドを開けること だ。
開けるといっても、完全に上に上げてしまったのでは目立ちすぎるので、
あのピロピロした部分の角度を変えて、
日光を更衣室に入れ込む。
それが私の日課だ。
なぜって私はお昼そこで一人でご飯を食べるから。
同じ部署の女性３人は皆コンビニか
あるいは朝どこかで買ってきたらしいお弁当をデスクで食べている。
午前中、さきほどまで仕事していたそのデスクで。
私にはそれができない。落ちつかないのだ。
ましてや隣の、そのまた隣の40代らしき女性社員達とも会話らしい会話もほとんどしたことがない。
そして初日からどうやら更衣室を誰もロッカー以外で利用していないと気づいたＯＬは
一人、更衣室で自家製のお弁当を食べている。
更衣室にはエアコンがない。
フロアで効いてる暖房も女子更衣室には届かない。
だから寒い。
ある時、更衣室のブラインドが閉め切られたままなのだということに気づいた。
ロッカー以外（もちろん更衣にも）利用されていない更衣室の、
閉められたままのブラインド。
初めて自分の使命を見つけた気がした。
気づいたその日から、朝出社してすぐ、更衣室に行き、
用意してもらったロッカーの中にコートをかけ、網棚に手袋を置き、ホックにお弁当を吊るし、
ブラインドの隙間を開けておく。
あと３時間もしたらやってくる昼のために。
皆の、ＯＬの、更衣室。
2014年3月7日
コメント