十数年ぶりだか20年ぶりだかのダンスダンスダンスを読んで、
読み終わった私はそのまま検索をかけた。

そういえば、(たぶん騎士団長~とかタザキツクルあたりからなんとなくいいかな、と思って、読んでなかった)
そこに本離れが起きていたから、しばらく、新刊を気にすることすらしていなかったのだ。
すると、私的には「新作」と読んでもいいくらい最近(3年前だった)、新しい小説が出版されているのを知り、
近くの図書館の蔵書を調べたら「在庫」になっていたので(他の図書館では「貸出」のところもあるのに)、
少し迷ったが私は着の身着のまま家を出て、走って本を借りに行った。(走って本を借りに行くのは一体何年ぶりなんだろう。)
どれもこれもふたしか⌇読んだ本『街とその不確かな壁』村上春樹
読みおえて、
「あれ、そういえば本の題名何だっけ」と思い見てみたら
(本にはカバーをかけていたので表紙を開いた)
『街とその不確かな壁』とあった。
今になると、
その「街」という言葉の方が気になってる。
息をきらしながら図書館で本を借りた翌日だか翌々日、
サンマルクカフェで(チョコクロが好き)アイスコーヒーとセットの
トレーを持ち、入口から一番奥の低めの丸テーブル席に腰を下ろした。
覚悟していたことだけど、
やはり自分にとって馴染みのある(あった)雰囲気とは異なる空気をページの中に感じた。
表紙を開くと、
タイトルと著者のあるページのその次に、
珍しく引用された詩が置かれていた。
そして次のページ、
つまり本文の5行目にはもう例え(比喩)が出てくる。
その一ページだけでもうひとつそんな"例え"が出てくる。
頻度もその例え方も、なんというか今までの(少なくとも私が知ってる)表現からするとスタンスが軽いものであるような気がして、
一旦本を閉じた。
チョコクロを一口食べたんだったか、
アイスコーヒーを3口飲んだんだか忘れたけど、
もう一度本を開いて数ページ読んでみた。
6ページ(単行本・第一部の中でいうと1のところ)を読んで
また本を閉じた。今まで"知ってる"雰囲気とはたしかに違うような気はするけど、
そこには(それも同じく"違う"かもしれない)魅力がある予感はした。
そのまま半ソファみたいな一人掛けの椅子に背中をもたせかけて見た
Amazonレビューには「第二部からはまり一気に読める」的なものもあり、
(結果的に私はそうは思わなかったけど、)本を買うことにした。

➖ あらすじ ➖
十七歳のぼくは、ひとつ年下のきみから自分は本物ではないこと、
本物の自分は高い壁に囲まれた街の中にいて、そこに入ることはとても難しく、
そこでの自分は夢も見ないし涙も流さないと聞く。
そしてどうやらぼくにはその街に入る“資格”があるらしい。
読みおえて、
わりと、ずっと悩んでいるな というのが全体の印象。
そしてそれは、あながち間違ってもいない気がする。
あと、ずっと壁に囲まれてる感覚になってくる。
それは読後も少し続く。
こんな感じ。
でも夢中になるとやっぱり時間がある限り読んでしまう。
あとは、ガルシア=マルケスの本が読みたくなる。
ただ、これは感想として残してもいいと思うのだが、
読んでいる間、どうしてかは分からないけど
心地が安定するような感じがあった。
たとえば作業の前に数ページ読むと、
わりとフラットな気分で机に向かうことができるみたいな。
それがどういうところから来ているか分からないけど、
少なくとも「不確か」な要素が関係はしている気はする。
不確かさは、
不安要素になる人もいると思うけど、
少なくとも私にとっては安心要素にもなり得る。
2026年6月
あと、これが最も珍しいことだったかもしれない、
「あとがき」があった。
この内容を、私は知っておいてもよかったかもしれないと思ったので、
その部分を以下に要点として抜粋してみる。
この小説の核となったのは
1980年に文芸誌「文學界」に発表した「街と、その不確かな壁」という中編小説だったこと。
(それは、最初の長編小説『羊をめぐる冒険』より前)
その次に再び同作品を書き直そうというところからスタートして出来上がったのが
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』であること。
そしてたくさんの書物を出版し、年月を重ね、経験を積み、
“最初に発表したときから数えて、ちょうど四十年が経過”した2020年の初めに
再び書き直そうとして出来上がったのが本作。
そして一旦は、第一部で完成だと思っていたこと。
もしかしたらざっくりしすぎてちがってしまっているところもあるかもしれないが、
私にはそう読めた。
私は、このあとがきの内容を事前に知っておいてもよかったなと思ったので、書いた。
私は単行本がどちらかというと好きなので↑を買ったが、どうでもいい話だと思うけど小指を少し痛めた。
なので文庫本↓もおすすめしておきます



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