午前中、下向き加減で仕事していると、
ナナメ前に突然ぬっと松嶋菜々子さんが現れた。
正しくは、松嶋菜々子さんの上半身が満遍なくプリントされたA4サイズのクリアファイル。
本日は関西の営業所の課長が東京にやってきており、
ついでに私のところまで、精算の書類を持って来てくれたのだ。
それを精算とは全く関係の無い、松嶋菜々子ファイルに入れてきたらしい。
別のことに集中していた私がかろうじてできた対応は
「ありがとうございます。」
と言って受け取るのみで、
その人は、ただ頷いて去って行った。
手元には松嶋菜々子さんの安定した
美しい笑顔だけが残った。
私はまた作業に戻る。
他部署の人が去ってしまえばすぐに戻る静けさ。
その中で、ふと、
「もしや、あれは、試されていたのではないか?」
と思う。
「君、関西の人?」
初めて私の訛りに触れたのが、
今来た人と同じ、大阪営業所にいる人物だったのだ。
「君、関西の人?」の人が同じ部署だから、
さては高知の人間はどのようなものか、と、
私のノリを試したのだ。
松嶋菜々子のクリアファイルで……!!!
「やまとなでしこ、見てました。」
そう笑顔で答えれば言えば良かったのか。
「♪言いたいことも言えないこんな世の中じゃ〜〜!♫」
と松嶋さんの夫・反町隆史さんの『ポイズン』を熱唱すれば良かったのか。
どのようなジャブがいつ来てもいいように、
日頃から心と身体をしなやかにしておくことが大切だ。
2014年11月13日

考案:A4のクリアファイルに好きな人の顔を貼ったり印刷しておくと、自分も変身できる
例:



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