殺し屋 in Office


先日、隣の隣の席・Bさんの「かわいい!」発言について触れたが、
今日は隣の席・Aさん(50代・女性)の発言に触れたいと思う。


ある日、別の部署の人と、話をしていたAさん。
 
Aさんは主に売上に関する請求書等を扱っている。

引き落としのことについて話しているのか、
私は特に関わることもないので、気にせず働いていたら、

「これで落ちなかったら、ぶっ殺しだよ。」

というAさんの声が聞こえた。
 

・・・。
体中を戦慄が走った。
 

すごい。
 

この、言葉の止め方は、すごい。
 

「ぶっ殺すよ。」
じゃないのだ、
「ぶっ殺しだよ。」なのだ。
 

そこからただならぬ技のような含みさえ感じられる。
 

この1ひねりは聞いた相手の心に確実にスクラッチをつけるだろう。
 

形容詞にすることによって生まれるインパクト。
 

  

私は感動すら覚え、
その日、手元のメモに
「ぶっ殺しだよ。」
と書いて帰宅したのだったが、数日後、
そのメモを見返して、はっとした。
 
どうやら事態はより深刻であったようだ。

これは、形容詞ではない。

きれい、美しい、甘い、早い、かけがえない、、、
これら形容詞の仲間ではない。


名詞からきている。

“皆殺し”

この言葉を踏襲しているのだ。
 

普段サバサバしているAさんのストレスを思い、
Aさんが小さくため息をついたり小さく舌打ちをする度、
胸の内でエールを送りつつも、
身を固くして息を止めている。
 

オフィスに潜むダンディ

 

– 補足 –
 
 動詞で成立するところを敢えて名詞風にして
語尾に「だよ。」、
 これを活かした何かよい例はないか考えた時、

 皆で走ろうよ。 → 皆走りだよ。

 これしか浮かばなかった自分はまだまだ未熟だと思います。
 

COMMENT

タイトルとURLをコピーしました