いじめられた後に残った記憶


昨日の、補足にて書いた、ふたつのうちのもうひとつ。
「大人のいじめ」を別の視点から書いてみたものです。)



昔、いじめられたことがある。

もちろん大人になってからだ。
結構お堅い職場でのことだったのだが、
当時の私はまだまだ世間知らずの娘で、
周りのおじさんが優しくしてくれることがうれしくて、
もちろんきちんと仕事をしつつも、はしゃいでいるときもあった。

その姿が、気に入らなかったのだろうか。

あるいは、その女性から誘われたフィットネスの誘いを、
自然にスルーしていたのが気に食わなかったのだろうか。

理由は直接聞いたことがないので分からないけれども、
とにかく異変は少しずつ私の周りで起こり始めた。

臨時の雇用で入社したのは私と他二人。

一人は私より年上の女性で、
もう一人は私とほぼ同世代の女性だった。

前者の女性は話しかけてもあまりうれしくはなさそうだったし、
会話が続くということもなかったので、

最初私が仲良くなったのは後者の女性だった。

今まで何を(どんな職を)していたのかということを話し、
とりあえずちゃん付けで呼び名のようなものをつくって、
あとは自然と話すくらいの仲だった。

 

しかし、働き始めて数か月後、
視線を感じる。

私をフィットネスに誘った女性と
その同世代の臨時雇用の女性が、
こちらを見て小声で話しているのだった。

目線の先には私しかいないその様子は、
仮に悪口でなくても気持ちのいいものではなかった。

未だにまるで19世紀ヨーロッパ絵画のような画質で、
その二人の光景は私の頭に焼き付いている。

 

そして最後に思ったのは、
一緒に入社した、もう一人、
自閉症の女性のことだった。

その人は最初の入社のとき、
「私はこういう症状をもっているので、
ご迷惑をおかけすることもあるかもしれませんが、
 一生懸命つとめますので、よろしくお願いします。」
と言った。

私は
「何が分からないかも分からないので、どうぞよろしくお願いします。」
と言った。

すでにこの挨拶からして違いが出ている。

私は期限を果たさずして退社し、
その後、その女性の働く姿を思い出した。
 

美しかった。
 

何も話さず、ただ目の前の仕事だけを見つめて、
手足を動かす彼女の姿は、美しかった。

どうして気づかなかったんだろう。

その時は気づかなかった。

目先のおしゃべりや人間や雑務、
自分がどう目立つか生かせるのか、
そんな目の前のことばかりにとらわれて
私は何も「見て」いなかった。

小さなことを、大切にできるその尊さ。
細い糸のように見えないものを紡ぎ続けられる強さ。

私はその職場で、大切にしていた時計を無くした。

大事にしていた腕時計

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